東京都産鳥類目録2000 Vre.1.01

あとがき

 新しい東京都産鳥類目録(略称・都産目録)の話が出たのは、3年前の1月のことでした。今から30
年以上も前の1975(昭和50)年に『東京都産鳥類目録』は出されたままで、改訂もされずに時は過ぎ
ていました。2月からは有志が支部事務所に集まって会議を重ね、幹事会に上程し、研究部内に「東
京都産鳥類目録作成委員会」を結成し、正式に動きを始めたのは4月。『ユリカモメ』2006年7月号の
研究部レポートに「東京の『鳥類目録』をつくろう」という呼びかけをしました。それ以来、委員・スタッ
フ・協力者・協力員という形を構成し、月1度程度の会議を持ち、3年目には何らかの形のものを作り
上げようという目標で進んできました。

 今回の都産目録作りでは、次のような段階を踏んで、2種類の目録をつくる予定です。第1段階は、
自治体ごとに鳥類目録を作成する。第2段階は、東京都をメッシュ化して、鳥ごとの分布地図をつくる
というものです。今回の『東京都産鳥類目録2000・自治体編・Ver.1』は、その第1段階の前半部という
ことになります。後半部は、伊豆諸島・小笠原諸島・硫黄列島などの島ごとの鳥類目録作成が控えて
います。その2つが合体して、自治体編は完成するということになります。第2段階は、今後収集整理
するデータをもとに、本土部はメッシュで区切り、島嶼部は島ごとに、繁殖期と越冬期の生息する鳥の
分布地図を作り、写真・解説・記録を入れた『東京都の鳥』を作成しようというものです。

 ところで、今回作成していて、ちょっとした混乱がありました。「西東京市」をどうするか。ご存じのよう
に、保谷市と田無市が合併して誕生した年は2001(平成13)年のこと。本報告書の対象期間は2000年
までですので、当然、市ごとに2つの鳥類目録をつくるべきだと考えられます。しかし、この目録の意義
を考えたとき、過去にこだわらず、先の利用法を優先して編集をするということにしました。同じような
ことは、例えば「営団地下鉄」から「東京メトロ」への変更などいろいろありますが、同じ考えで進めて
います。

 この『新・都産目録作成』は、完全なボランティア活動で、交通費からパソコンのソフトまで自前で
す。支部からの支出は、この報告書の印刷・CD-ROM製作費だけ。それでも参画した人は意義を感じ
て、得意とする分野で力を出していただき、ここまでたどり着くことができました。これからも“自分がで
きる分野を、自分の時間を使い協力する”というボランティア精神をもって進めていきたいと思ってい
ます。この作業は多岐にわたり、ずっと続きます。それぞれ役割は必ずあります。興味のある方は、
ぜひ、飛び込んできて下さい。


(川内博)


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       2009年3月31日 発行

東京都産鳥類目録2000 自治体編 Ver. 1

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